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「どうして、わたしをお捜しになったのですか。わたしは父の家にいなければならないことを、ご存じなかったのですか」。両親には、イエスの言葉の意味が分からなかった。(ルカ2・49〜50)

聖書には、少年時代のイエス様に対する記述はほぼありませんが、一つのエピソードとして伝えられているものが12歳の少年イエスが母のマリア様と父のヨセフ様と一緒に住んでいた田舎のナザレから神殿があるエルサレムに旅をしていた時の話です。神殿の儀式が終わり、他の親族と一緒にナザレに戻るなか、両親はイエス様がいないことに気づき、捜しながらエルサレムに戻ります。やっとの思いで神殿に残っていたイエス様を見つけるのですが、その時にマリア様とイエス様に上のような言葉を、少年イエス様は述べるわけです。エピソードは、幼年時代のイエス様がすでに神様の特別な愛を受けていたことを表すものですが、両親にとっては心配で気が動転するほどの出来事でした。我が子の成長と、我が子に秘められた使命にマリア様もヨセフ様も戸惑っている様子が手に取るように、今の私たちにもその心が伝わってきます。

幼稚園では、よく抱っこをしてあげている子がいますが、ここ数日感じるのはその成長ぶりです。興味を示すものが幅広くなり、自分を主張し声を張り上げ、また遊びも豊かになりました。自然と私が抱っこを求められることも、抱っこをする時間も減り、他の関心事にすぐ目が行くようになったと感じます。少し寂しい気持ちにもなりますが、これが子どもの成長の過程だと思うと嬉しくなります。今後どんな声で言葉を喋るようになり、どんな行動を見せてくれるのかとても楽しみです。

少年イエス様に感じた心配と戸惑いは、同時に喜びでもあったのだと思います。教会は、特にこの少年イエス様とマリア様、ヨセフ様の家族を“聖家族”と考え、その模範に倣おうとして来ました。聖家族のように、新年にも皆様のご家庭にたくさんの恵みと喜びがありますようにお祈り致します。