「しかし、母は召し使いたちに、「この人(イエス)が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。(ヨハネ2・5)
イエス様が積極的に活動を始めた時に、最初の奇跡として聖書に記されているのが「カナの婚礼の奇跡」です。婚礼に招かれた聖母マリアとイエス様でしたが、婚礼の宴会に必要な葡萄酒がなくなり、そのことを聖母マリア様がイエス様に伝えます。何とイエス様の反応は酷く冷たいものでした。「わたしとどんなかかわりがあるのです。」と、ご自分の出番ではないことを告げます。それに対してのマリア様の次の行動が上で引用した聖書の言葉です。召し使いたちにイエス様から何か言われたらそのようにして下さいとお願いしている場面です。冷たい反応を見せたものの、きっとイエス様が何とかしてくださるだろうと、聖母マリア様の心は揺らぎないものでした。今回、この言葉を選んだのは、母である聖母マリア様と子であるイエス様の関係性の中で、親御さんと子どもたちの関係性を思い起こしたからです。私たちが子どもたちに望むこと、そして期待するものは、もちろん子どもたちの幸せです。それはやがて成長期を過ぎてひとり立ちする我が子に対する信頼、そして期待に繋がるものでもあります。ご自分の出番ではない。論理的にも、順序的にも、そして理性的にもそうであったとしても、自分の心がどう感じ、どのように動くのかの問題です。親御さんの気持ちを察することが出来る、また自分が少々苦労してもお父さんお母さんのために、友達のために、弱い人々に手を差し伸べることが出来る、心の優しい神様の子になって欲しいと、切実に願っています。
あっという間に新年の1月が過ぎて行きます。園児たちは春のコンサートの準備に入りました。心を合わせ、奏でる喜びと楽しみ、また新たな発見にきっと繋がるものだと思っています。
