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「ペトロは悲しくなって言った。“主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。”イエスは言われた。“わたしの羊を飼いなさい。”」

復活節が始まって間もなく、教皇フランシスコが亡くなりました。去年の暮れから危篤状態になる中で、回復し復帰されたと思った矢先のことで、多くの方が悲しまれました。過去、ここまで慕われ、愛され、その死を悲しまれた教皇様はなかったと思います。日本でも大きく報じられました。カトリック教会の教皇は、イエス様の一番弟子のペトロから継承され、教皇フランシスコはその第266代教皇様でした。2013年3月に教皇職に選出されて、何とその教皇の名前をフランシスコにされ、周囲を驚かされました。教皇の名前で使われたこともないこのフランシスコの名前は、本園の経営母体になるコンベンツアル聖フランシスコ修道会の創立者である聖フランシスコ(1181ー1226)から取られています。誰よりも貧しくなられ、涙を流し、この世の被造物とも調和を保ち、病気の人を拒まない聖フランシスコの行き方は生やさしいものではありませんでした。

冒頭のペトロとイエス様の問答は、イエス様が3回も、同じ質問“わたしを愛しているか?”とペトロに聞かれ、ペトロは悲しくなったという話です。実は、ペトロは、イエス様を知らないと3回も否認したと言われています。決して意地悪いわけではありませんが、心優しいイエス様はペトロに3回も同じ質問をすることによって、却ってペトロに赦しとイエス様のあたたかい愛を与えているのだと思います。一番弟子のペトロは決して有能で気が効く弟子ではありませんでした。でも、心があたたかく、誰よりもイエス様を愛した人でした。その後継者である教皇様は、いろいろと欠点もあるかもしれませんが、イエス様が私たちを愛して下さったように、良き羊飼いとしてこれからもカトリック教会を導いてくださると思います。新しい教皇様は、“教皇レオ14世”と呼ばれることになりました。

教皇レオ14世