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「イエスはこの母親を見て、憐れに思い、“もう泣かなくてもよい”と言われた。」(ルカ7、13)

子どものことで、悲しく泣いている母親をご覧になったイエス様は、心を動かされます。「憐れに思い」という言葉に、母親の苦しい心の切なさがイエス様に伝わって来たのだと思います。実に、今の時代を生きる私たちに、特に子どもたちに必要なことの中の一つは、この心が動かされる体験です。他人のことが他人のことで終わらなく、自分のことのように共感する心は、人間らしさと情緒豊かな人に成長させて行くものです。

車に置き去りにされて亡くなる子が、今年もいました。その子の苦しさ、そして親御さんの痛みを考えただけで心が苦しくなります。報道でも言われているように、「私は大丈夫。」という心が危ないと言われています。常に細心の注意を払い、事前に防ぐようにしたいと、強く願っています。
本園の2台の園バスには、早くも6月のはじめには「置き去り防止装置」を設置することが出来ました。園バスには、今までのように一人の先生が必ず同乗し、また朝の時間帯には他の先生たちが園バスの到着を待って園児たちを迎えています。そして園長も可能な限り、朝の時間帯は園バスを待って、「〇〇くん、〇〇ちゃん、おはよう御座います!」と声を掛けるようにしています。

実は去年の10月は、大型二種免許(バスの免許)を取るために、大村の教習所に通い始めた月です。もう一年が過ぎました。ニュースでは、園バスの置き去り事件が連日報道された後なので、教習所の先生たちは私が幼稚園の園長であることを知ると、“頑張ってください、事故がないようにくれぐれも気をつけてください!”と声をかけて下さいました。何とか1月4日に大村の運転免許試験場で免許を取得することが出来ました。園長が運転することはあまりないと思いますが、代わりに園バスの安全な運行のためにこれからも力を注ごうと思っています。

10月4日は、本園の創立記念日です。イタリアのアシジの聖フランシスコの祝いの日でもありますが、3人の先生の永年勤続も表彰されます。3人の先生方に感謝を表す共に、また園児たちのために頑張って行きたいと思います。