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「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。」(マタイ7・13) 

ある朝の日、運行中のネコバスの床下で突如ネコの泣き声が聞こえて来ました。最初は隣の車で聞こえて来たかと思われたそうですが、、、確かに園バスの中、それも床下で聞こえて来るネコの泣き声で、ネコバスの利用者の皆はどれだけびっくりしたのか分かりません。やっとの思いでバスは園に戻って来ました。しかし、ネコの泣き声は止み、私たちの目でいくら探しても見つからない。諦めて朝2便目のバスが出発することになりました。

午前の運行が漸く終わって、早速修理工場にバスを持って行きました。バスを持ち上げ、下に潜り込んで隈なく探してくれましたが、“やっぱりネコはいない”と、告げられました。もしかしたら、ネコちゃんはバスの運行中に道端に落ちたのかもしれない、、、。そんな不安な気持ちを抑えることが精一杯でした。そうやって昼ガ過ぎ園児たちがバスで帰る時に、またネコちゃんの泣き声が聞こえて来ました。

その日に2度目になる修理工場にバスは持っていかれ、そこで漸く元気なネコちゃんを見つけ出すことが出来ました。夜中、下からバスの横のフレームと呼ばれる場所に潜って入ったようですが、狭くて身動きが取れず自力で降りて来ることが出来なかったようでした。そのようにして、せっかく聖母の騎士幼稚園の狭い門から入って来てくれたネコちゃんでしたが、自由に生きるべく、元のネコバス停へと無事に戻って行きました。

イエス様が言う狭い門とは、私たちが大切なもの、大事なものを得ようとする時には、努力と苦労が付きもので、簡単には得ることが出来ないことを教えて下さっています。園児たちは、それぞれ乗り越えようとする課題があります。苦手な野菜を食べるように頑張ったり、鉄棒に挑戦したり、友だちに譲るような優しい心を持つなど、一つひとつ乗り越えることによって一段と成長して行きます。狭い門で、簡単ではないかもしれませんが、ぜひ頑張って欲しいと願っています。

夏休みを通して、さらに成長した園児たちにこれから会うことが楽しみです。